2016年10月10日月曜日

~ チキン ~

大きなお祭りの真っ最中なので「チキンでも食べようか」と提案し、実現した。

子供たちは普段肉は食べない。
食べたいけど、学校には肉を定期的に食べさせてあげるだけの予算がない。
だから時々私のような来訪者が来て振舞わない限り、肉にはありつけない。

この村にも隣町にも肉屋はない。
そもそも、「肉屋」というものがインドに存在するのを見たことがない。
だから私たちは鶏を買う。
校長先生がどういう注文の仕方をしたかわからないけど、
私たちは3羽の鶏を買った。
それを併設の裁き屋さんで「肉の塊」にしてもらう。

大きな柵の中から選ばれた鶏は自分の運命を悟り、騒ぎ、暴れる。
最期には諦めたように悲しい眼をする。
あまり動物好きでない私だけど、鳥は好きな生き物なので、
彼らが肉の塊になっていく姿は絶対に見ない。

鶏からチキンとなったものをひざの上に載せて、バイクで学校へ向かう。
ひざの上がすごく温かくて、切なくなる。

チキンの日は子供たちが張り切って料理をする。
まず丁寧に肉を洗う。
まだ血がこびりついていたりするし、羽がじゃりじゃりすることもあるから。
別の子が大量のチリ、ガーリック、生姜、たまねぎ、パクチーを用意する。
香りの強いものやスパイスなどで肉の臭みを消す。
たっぷりの油で肉や香味野菜を炒め、スパイスと水を加え、最後は蒸し焼きのようにする。
チキンカレーが出来上がった。

みんな手や口の周りをテラテラにしてチキンをむさぼる。
「報われた」なんて鶏が思ってくれるはずもないけど、
チキンカレーは本当に美味しくて、子供たちにとっても特別で、
私も3週間ぶりくらいに口にした肉で、なんだかエネルギーが湧いてきた気がする。
さあ、今日も明日も、頑張るぞ。






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